同軸ケーブルの種類と規格

同軸ケーブルの種類と規格、特性インピーダンス別のコネクタの種類など同軸ケーブルの基礎知識を入門者向きにわかりやすく解説しております。

◆同軸ケーブルとは?構造と仕組みの解説(もくじ)

◆地デジや衛星放送・TVアンテナの接続ケーブルとして利用される同軸ケーブルとは?

◆高周波同軸ケーブル

 同軸ケーブルとは、不平衡な高周波信号を効率よく伝送するための「特性インピーダンス」が規定された被覆電線の一種です。(※正式名称は高周波同軸ケーブル)

 同軸ケーブルは、構造上ケーブルの断面が同心円を何層にも重ねたような形状となっており、この一つの中心軸に対して円筒を重ねるように被膜する構造であることから同軸ケーブルと呼ばれております。

 一般家庭では「TVチューナー」「地デジ」への移行の際にはTVアンテナを接続する10M超の75オームプラグなどのケーブルに同軸ケーブルが見られます。

◆同軸ケーブルの構造と仕組み

◆銅線と絶縁体の4層構造

 同軸ケーブルの基本的な構造は、4層の円筒状を重ねた構造となっております。

 ケーブルは銅線の束で形成される内部導体(中心軸)とそのまわりを覆う網組み銅線で形成される外部導体で高周波信号を伝達します。

 外部導体は金属製である事からこの層で信号の漏洩や外部電波の侵入を食い止める効果(シールド効果と呼ばれます)がある点が同軸ケーブルの利点でもあります。

 銅線のまわりには絶縁体がそれぞれ覆う形状となっており、内部導体(中心軸)の外膜に「ポリエチレン誘導体」、外部導体の外膜には「PVC(ポリ塩化ビニル)」の保護皮膜が覆う構造が主流です。

 同軸ケーブルの4層構造とは内部導体(中心軸)、絶縁体としてポリエチレン誘導体、網組み銅線、PVC保護皮膜の4層を指します。

◆高周波同軸ケーブルの種類と規格はどのように決められているのですか?

 同軸ケーブルの規格は「日本工業規格(JIS規格)」によって規定が定められております。

 このJIS規格では、特性インピーダンス毎に幾つかの種類に規格が分類されている点がひとつの特徴です。

 JIS規格ケーブルの規格構成の分類項目と表記単位は以下の通りです。

【同軸ケーブルのJIS規格構成と単位一覧】
★内部導体の構成(本/mm)
★絶縁体の外径(mm)
★特性インピーダンス(Ω)※オーム
★波長短縮率MHz(%)
★減衰量(dB/km)
★外部導体(mm)
★VCシース(mm)
★概算質量(kg/km)
★標準長(m)
★耐電圧(ACV/1分)

◆同軸ケーブルの記号の意味・読み方

◆事例:5D-2Wの読み方

 同軸ケーブルのJIS規格表記では記号と数字の組み合わせで同軸ケーブルの種類や特性を示します。

 例えば5D-2Wと記載されている場合は、以下のように把握しておくと便利です。

同軸ケーブルの表記5D-2Wとは?【画像】

 @の直径はそのまま、同軸ケーブルの直径サイズを示します。代表的な直径サイズは3mm・4mm・5mm・7mm・10mmです。

 一戸建て家庭用のケーブルとしては3mm・4mm・5mmまでが主流です。

 Aは特性インピーダンスを示します。尚、事例の「D」は50Ωを示します。75Ωの場合の表記は「C」です。

 Bは絶縁体に使用されている原材料を示しております。最も多い「2」が充実ポリエチレン(単にポリエチレンとも言う)、この他「F」が発砲ポリエチレン、「HF」が高発砲ポリエチレンです。

 Cは外部導体の形状を示しております。事例の「W」は編組2重(二重導体編組)を示し、単層(一重導体編組)が「V」、アルミ箔テープ付銅編組は「B」、そして編組3重は「BL」で表記されます。

◆5D-2WとS-5D-2Wの違い

 尚、頭に「S」が付いている場合、例えば事例のケースでは「S-5D-2W」と記載されている場合の「S」は衛星放送受信用の記号でありBSやCS対応ケーブルであることを示します。

 では、復習として以下の例題の同軸ケーブル規格表記の意味を確認してみましょう。

◆5c-2v同軸ケーブルの用途

5c-2vとは?【画像】

 上記の同軸ケーブルは「5c-2v」ですから前述した@〜Cまでを確認すると@が同軸ケーブルの直径が5mm、Aの特性インピーダンスが75Ω、Bの絶縁体原材料が充実ポリエチレン、Cの導体形状が単層(一重導体編組)の同軸ケーブル規格であることが解ります。

 5c-2bの同軸ケーブルは主にテレビ受像機のアンテナ給電線に使用されております。

◆5c-fbは低損失タイプの同軸ケーブル

5c-fbとは?【画像】

 上記の同軸ケーブルは「5c-fb」ですから前述した@〜Cまでを確認すると@とAは前の例題と同じく直径が5mmで特性インピーダンスが75Ωです。

 続いてBの絶縁体原材料は「f」ですから発砲ポリエチレン、Cの導体形状が「b」なのでアルミ箔テープ付銅編組の同軸ケーブル規格であることが解ります。

 5c-fbの同軸ケーブルは前述した5c-2b同様、主にテレビ受像機のアンテナ給電線に使用されている低損失タイプの同軸ケーブルです。

◆例題「s-7c-fb」(減衰量とケーブルの長さ・直径の関わり)

s-7c-fbとは?【画像】

 最後に上記例題の同軸ケーブルは「s-7c-fb」ですから、まず頭にある「S」の表記から衛星放送対応の同軸ケーブルであることが解ります。

 続いて同様に@〜Cまでを確認すると直径が7mmで特性インピーダンスが75Ωです。

 Bの絶縁体原材料は「f」ですから発砲ポリエチレン、Cの導体形状が「b」なのでアルミ箔テープ付銅編組の同軸ケーブル規格であることが解ります。

 s-7c-fbクラスの直径7mmを超えてくるタイプは業務用としての需要が高く販売されている長さの単位も50M以上であるケースが大半です。

 同軸ケーブルはケーブルの長さが長くなるほど減衰量が増加しますがケーブルの直径が太くなるほど減衰量が低減します。

 同タイプの同軸ケーブルを一般家庭で使用する場合は、もちろん用途にもよりますが「s-4c-fb」もしくは「s-5c-fb」規格で十分間に合います。